睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠中に大きないびきと共に、何度も呼吸が止まる状態です。成人男性で10~20%、成人女性で10%程度に見られるとの報告もある、比較的頻度の高い病気で、睡眠中に息苦しさで目覚めたり、良質な睡眠が妨げられることにより日中の眠気が生じたりするため、事故などにつながりやすいことが社会的な問題にもなっています。また、高血圧の原因となり、治療により血圧が低下することが示されています。
検査について
当院では自宅で行う簡易モニター検査と1泊入院して行う終夜睡眠ポリグラフ検査を行っています。
検査の結果、睡眠時1時間当たりの無呼吸と低呼吸の総数を無呼吸低呼吸定数(apnea hypopnea index:AHI)といい、病気の診断、重症度の評価に用いられます。
治療について
治療には持続起動陽圧療法(continuous positive airway
pressure:CPAP)療法、口腔内装置、体位療法(側臥位で寝ること)、耳鼻咽喉科的手術などがありますが、眠気が強い方、中等症~重症の方はCPAP療法が第一選択となります。
別図のように、無呼吸低呼吸定数(apnea hypopnea index:AHI)が簡易モニター検査で40以上、終夜睡眠ポリグラフ検査で20以上であれば、CPAP療法の適応となります。